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妊娠期のキャリアオイル


キャリアオイルの中に、体内で代謝されて、陣痛促進剤と同じ成分になるものがあります。

妊婦への精油の禁忌は色々と文献はありますが(協会によってまったくバラバラですが・・)、妊婦とキャリアオイルの関連性に関するものはほとんどありません。以前、精油化学の大家、三上杏平先生のキャリアオイル勉強会に参加した時のトピックがカルボン酸で、まさに私の知りたかったことを教えていただきました。

トリートメントで使用されるキャリアオイルは、ココナッツオイルなどごく一部を除いては、多くが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸の内、体内で合成できない、α-リノレン酸などのオメガ-3とリノール酸などのオメガ-6は、必須脂肪酸として、バランスよく摂取することが必要とされています。

問題は、リノール酸の代謝過程です。 経口や経皮で摂取されたリノール酸は、体内の酵素によって、リノール酸 → γ-リノレン酸 → ジホモ-γ-リノレン酸 → アラキドン酸と、必要に応じて変換されていきます。 そして、このアラキドン酸は局所ホルモンの一種、プロスタグランジンを生産します。プロスタグランジンは実にたくさんの生理作用を持ちますが、アラキドン酸から生産されるプロスタグランジンE2とF2αが、まさに子宮収縮を起誘する、陣痛促進作用を持ちます。

陣痛促進剤には、オキシトシン系とプロスタグランジン系の2種類がありますが、プロスタグランジン系は、この作用を利用して人工的に陣痛を発来させるもの。ということは、妊婦さんにオメガ-6系のリノール酸やγ-リノレン酸を多く含むキャリアオイルを使用すると、陣痛を引き起こしてしまうのでしょうか。 代表的なオイルには、イブニングプリプローズ油、ボラージ油、グレープシード油などがあります。 これらは妊婦さんには禁忌とすべきなのでしょうか。この答えを導くためには、栄養学なども考慮して、多角的に考える必要があります。

(このコラムは2015年1月に執筆したものです)

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