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産褥の入浴比較「イギリス・中国・日本」

先日、イギリス人助産師の友人から、ちょっとキレ気味の(笑)メールがありました。

職場に新しく入って来た中国人助産師が、 「『産後1か月は、シャワーはダメ、赤ちゃんの沐浴も母親はしてはダメ!、アジアではそんなこと当たり前だ!』と言い張る!本当なの?日本もそうなの?」 という内容。 strongly insist と書かれていたので、よほどまくしたてられたのでしょう。 イギリス人も中国人も頑固な国民性ですから、きっと激しい応酬があったのだろうと想像すると、失礼ながらちょっとおかしくなりました。

中国人の患者様からよく伺うのは、中国の一部の地方では産後1か月は「水に触れてはいけない!」という習慣があるようです。 入浴はもちろん、シャワーもダメ、洗髪もダメ、洗顔も歯磨きさえダメ、水仕事もダメ、冷たい水を飲むこともダメ、と徹底して水に触れないようにするのだとか。 これは、典型的な東洋の伝承医学の見地に立った「冷え」を案じた考え方なのでしょうか。 日本でも、古い世代の方の中には、「産後は水仕事をしてはいけない」という考えが残っているようです。 それにしても、1ヶ月後、産婦さんはどんな体臭を放っているのか・・

それに対して、イギリスではそもそも、「冷え」という概念がありません。 大きなお腹の妊婦さんが、小さめのTシャツでお腹を丸出しにして歩いている光景もよく目にします。 これは西洋人と東洋人の基礎体温の違いもあると思います。 ですから、特に「水」に対する禁忌という考え方もありません。 逆に、出産を終えたばかりの産婦に、シャワーや湯船での入浴を勧めます。 それが、たとえ会陰縫合していたとしても、イギリス人は関係なく湯船につかります。

本当に、どちら国の習慣も、日本人から見たら驚くことばかりです。 ついでに申し上げるなら、先月、キャサリン妃がご出産され、その数時間後には退院されたということにも、日本では驚きの声が上がっていましたね。 でも、イギリスではよくあることです。初産で1泊、経産だと同日退院が基本です。

ご参考までに、日本では、出産当日はシャワーは禁忌、翌日から産後1か月までは入浴は禁忌ですが、シャワーはOK、もちろん洗髪もOKという指導の産院が多いと思います。 そして、産後は4−6泊程度入院します。 国によって、妊娠や出産に対する考え方や習慣がいろいろと違うのはとても興味深いことで、まさに文化の違いなので、双方の考えに、日本人の私が口を挟むことはしたくないと思っています。 イギリス人の友人には、「日本は違うよ」ということだけ伝えておきました。

(このコラムは2015年6月に執筆したものです)

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