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母乳の中に精油はどのぐらい入っていくのか?を考える

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  • 投稿の最終変更日:2022-04-16
  • 投稿カテゴリー:blog

乳腺炎のお話に加えて・・

「授乳中にアロマトリートメントをすると、母乳の中に精油が入ってしまうのでは?」

とてもよく伺う質問です。

母乳の源は血液なので、心配になるもの当然なこと。

果たして、トリートメントで精油は赤ちゃんに影響するほど母乳の中に入るのでしょうか。

精油の母乳暴露量は母体摂取量の1%以下である(Hauser 2005)

という研究報告があります。

平たい言葉で言うと、「授乳中のお母さんがアロマトリートメントなどで精油を吸収した場合、精油成分が母乳にまで回るのは、お母さんが体内に取り込んだ量のうち1%以下ですよ」ということ。

ではそれが多いのか少ないのか、かなりざっくりですが計算してみると、

【条件】

  • 希釈率1%:精油 0.3㎖/ キャリアオイル30㎖ とする
  • アロマトリートメントによる母体吸収率を10%とする(*1)
  • 個体差(体温、肌質、年齢・・)や環境差(室温、湿度、天気・・)は考慮しない
  • 精油に含有する成分量、その吸収率の差は考慮しない

【式】

03㎖x10%x1%=0.0003㎖=0.3μℓ

【結果】

おおよそ、0.3μℓ 以下、母乳中に入る、という数字になりました。

これはもう単位が㎖→μℓ に変わってしまうほどの微量で、これを危険視するなら、よほど空気中の方が有害であることになってしまいます。(環境省「大気汚染に係る環境基準」

よって、授乳中であっても、適量に希釈すれば(ここ重要!)アロマトリートメントが赤ちゃんに影響を及ぼすことはないと言えます。毒性成分の含有量の多い精油を避けておくとより安心して使えます。

授乳中の方には、それよりももっと配慮していただきたいことがあるのですが、それは産後アロマトリートメント講座で。(すみません)

*1:本来、精油の皮膚吸収率は一概に何%とは言えないので、「ロバートティスランド著, 精油の安全性ガイド第2版p63-68 フレグランスジャーナル社」を参考に10%と想定。実際、血液循環に入る率はもっと少ないと思われます。