東京の冬は、冷たく乾いた空気が続きます。
「秋冬生まれの子はアトピー性皮膚炎や食物アレルギー発症のリスクが高い」
ということは以前より言われています。
ちょっと古いデータですが、1,280人の乳児を対象に出生季節ごとに有症率を調査した結果、生後12ヶ月までにアトピー性皮膚炎と診断された群は、
冬(33.9%) > 秋(31.3%) > 夏(27.2%) > 春(21.1%) となりました。(Kuzumeら2000)
明らかに、秋冬生まれの子は春生まれの子よりもアトピーを発症する割合が高いです。
理由ははっきりとは断定されていないようですが、生後2ヶ月ごろから母体由来の皮脂成分が少なくなって乾燥しやすくなる時期に冬を迎えるから、ということも原因の一つであることは間違いありません。
というわけで、赤ちゃんの中でも特に秋冬生まれの子は、保湿ケアがとてもたいせつ。(もちろん春夏生まれの子もです)
新生児期から、朝・夜1日2回、保湿ケアを行うとアトピー発症率が半減して(Simpson ELら2014)、その他の皮膚トラブルも減らすというデータがあります。
なんと、→こちらによると、生後1ヶ月のケアが将来のお肌の健康までも左右するとのこと!
保湿ケアの基剤としては、水分と油分ともに配合されているものがよく、市販のベビーローションなど(乳液状のもの)が適していると思われますが、アルコール、パラペン、香料などは入っていないものを選びます。
ただし、「オーガニックや自然なものだから赤ちゃんに安心」とは限らないので(例えばナッツ系のオイル、はちみつ、アロマなど)要注意です。
<参考文献>
楠目 和代, ATOPIC DERMATITIS IN EARLY INFANCY IN MATUYAMA CITY : PREVALENCE AND SEASONAL VARIATIONS, アレルギー 49(11), 1087-1092, 2000
Simpson EL, Emollient enhancement of the skin barrier from birth offers effective atopic dermatitis prevention, J Allergy Clin Immunol. 2014 Oct;134(4):818-23