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出産中の寄り添いができない今

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  • 投稿の最終変更日:2022-03-12
  • 投稿カテゴリー:blog

コロナによって、今、日本のほとんどの産婦人科で、出産中の立ち会いが禁止されています。

これは医療をコロナから守る(医療者だけでなく、そこで産む予定の妊婦さんの産み場所を守るという意味も)ためにはやむを得ない対策であり、産婦人科も好き好んで「ダメー!」と言っているわけではないのは誰もが理解していること。

ただ、出産中に産婦さんがひとりぼっちになってしまうのです。
助産師さんや看護師さんは、数多なタスクがあるので、ひとりの産婦さんにずーっと寄り添うのは現実的に難しい。。

出産中に、産婦さんが信頼する「ずっとそばにいてほしい」と望む人(夫、母、出産ドゥーラなど)が、ずっと寄り添うことは、実はすごい効果があるのです。


  1. 経腟分娩(自然分娩)が増える
  2. 出産への不満が減る
  3. 出産中の鎮痛剤、麻酔の使用が減る
  4. 分娩時間が短くなる
  5. 帝王切開が減る
  6. 吸引分娩・鉗子分娩が減る
  7. 産まれた赤ちゃんのアプガースコア*低値が減る

*出生直後の新生児の健康状態を示す指数。数値が低いほど健康状態がよくない

出典:出産中の女性への継続的支援 Cochrane Database of Systematic Reviews 2017


すごいですよね!

補足すると、寄り添いにはいろいろな内容が含まれていて、マッサージをするとか、「これからこうなるよ」という情報を伝えるとかがあればなお良しではありますが、何もせずにただただひたすらそばにいる(とくに夫の場合は、寝たり、スマホ見たり、余計なこと言ったりすることも「何もせず」の定義からはずれてしまうので注意…)だけでも、効果があります。

逆を言えば、このコロナ禍で、この効果とは逆の作用が働いてしまうことも考えられるのです。

分娩時間が長くなって、自然分娩が減って、不満が増える上に、赤ちゃんの健康状態がよくない・・・想像しただけでも胸が苦しくなります。

出産ドゥーラとして、何かできることはないかな、と、勤務する産婦人科で以前こんなものを作ってみました。
信頼できる人の代わりには到底なりませんが、もしまわりにこれから出産する方がいたらコピーを差し上げてください。(著作権は放棄していないので、お店のロゴを入れたり、ブログなどにアップはしないでください…)