現在日本では、帝王切開で出産する割合は、病院で25.8%、医院・クリニックで14%(2017年)で、これは年々増加の一途を辿っています。日本だけでなく世界的にも増加傾向にあり、WHOが分娩の基準を見直すよう勧告しています。
増加傾向にある理由は、妊婦さんの高齢化など母体側の要因と、ワークフォース不足など医療機関側の要因とが複合的に絡み合っているようで、一言では言い表せません。ただ、それに反比例するように、妊産婦さんと赤ちゃんの死亡率は減少しているという事実もあります。
帝王切開後の大きな問題は、とにかく傷が痛い!
咳やくしゃみなんてもってのほか。
寝返りしたり、起き上がったりも痛くて痛くてたまらない。(ToT)
体の痛みは心の痛みにもつながるので、その後の育児へのスムーズな移行にも影響していきます。
痛みの緩和には、
●鎮痛剤の投与
●無理のない体の使い方を助産師さんに教えてもらうこと
が、もっとも確かな方法ですが、アロマセラピーでも帝王切開後の痛みを減らすことができると、昨年9月公開のコクランレビューにありました。
「帝王切開後の疼痛のための補完代替療法」
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アロマセラピー
アロマセラピーはプラセボ+鎮痛剤と比較して、12時間後と24時間後の時点で、疼痛を軽減する可能性がある。アロマセラピーが、プラセボ+鎮痛剤と比較して、有害作用(不安症)に対し何らかの影響があるかどうかは不明である。
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引用:コクランライブラリー「帝王切開後の疼痛のための補完代替療法」2020.9/15
ざっくり言うと、
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アロマで、帝王切開後の痛みを和らげる可能性あるよ。ただし副作用があるかどうかは知らんけど。
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残念ながら、具体的な使い方や精油の種類などについては、原文を読んでも見当たらなかったので、以下、私の臨床経験から書いていきます。
副作用については、飲用や原液塗布を避けて、毒性の強い精油も避けることで、リスクを下げます。
まず、帝王切開直後、腹部にオイルを塗布することはとうぜん禁忌で、腹部のタッチングも温めることも禁忌。
私なら、芳香浴で自律神経系の中枢、視床下部に働きかけるようにします。
痛みは、交感神経を興奮させて痛みの閾値を下げてしまうので、もっと痛みを感じるという悪循環を引き起こします。
なので、とにかく興奮を鎮めたい!
首の裏側を温めるのもとてもお勧めです。
芳香浴は、赤ちゃんが同室なので、ディフューザーなどで拡散はせずに、ティッシュに滴下してママの枕元におきます。
そして精油は、産後の体を考慮して、穏やかで優しいものを。
機能性としては、鎮痛作用、鎮静作用のあるものから選びます。
加えて、帝王切開後は一時的に腸の蠕動運動が悪くなるので(そう言った意味でも副交感神経優位にしたい)、消化促進作用のあるものもプラス。
と言うわけで、アロマセラピーの王道(キラキラ)、真正ラベンダー+オレンジスイートorマンダリンを選ぶことが多いです。
それから、ニチバンから出ている帝王切開の傷を目立たなくするテープは、産後の方からの評判も良いので、そんな井戸端会議的な情報も交えて、産後のwell-beingな生き方に役立つとよいな、と思っています。