マタニティトリートメントでは、ご予約の時点で妊娠経過に問題がなくても、当日の体調によっては施術を控える必要があります。
医師から施術の許可を得ている場合も、それは施術当日の安全まで保証するものではありません。施術前には毎回、妊娠経過と当日の自覚症状を確認し、レッドフラッグが認められる場合には施術を行わないことが原則です。
その日の状態を見て、施術を行うかどうかを最終的に判断するのは、施術を担当するセラピストです。
ここでは、来店時や施術中に確認したい主な変化を紹介します。
.
当日施術を見合わせる主な症状
1. 性器出血
妊娠週数や出血量にかかわらず、性器出血がある場合は施術を行いません。少量の出血であっても、その原因や重症度をサロンで判断することはできません。
本人が、
「以前にもあった」
「ほんの少しだから大丈夫」
と話していても、まずはかかりつけの産科へ連絡していただきます。
.
2. 破水が疑われる場合
次のような訴えがある場合は、前期破水を含めた医学的な評価が必要です。
- 下着が急に濡れた
- 少量の水分が持続的に漏れる
- 尿漏れなのか破水なのか判断できない
破水の有無をサロンで鑑別しようとせず、施術を中止して産科への連絡を優先します。
破水は急にドバッと流れ出るケースだけではなく、尿漏れのように下着が湿る程度(高位破水)のことも珍しくありません。「あれ?」を繰り返すようなら、量に関わらず産科へ連絡していただきます。
.
3. 強い腹痛、規則的な子宮収縮
一過性の張りではなく、次のような症状がある場合は施術を控えます。
- 安静にしても軽快しない腹痛
- 痛みを伴う規則的な子宮収縮
- 持続する張り感
- 腰背部痛や出血を伴う張り
- 本人が「いつもとは違う」と感じる痛み
.
4. 胎動の減少
胎動を自覚する妊娠週数(目安は18-20週)で、
- 普段より明らかに少ない
- いつもの時間帯に感じない
という訴えがある場合は、トリートメントで様子を見ず、産科へ相談してもらいます。
セラピストが腹部に触れて胎動の有無を評価したり、「施術でリラックスすれば動くかも」と安易に考えたりすることは避けます。
性器出血、破水、強い腹痛や張り、胎動の減少は、速やかに医療機関へ相談すべき症状として、母子健康手帳でも示されています。
.
5. その他
このほかにも、次のような変化がある場合は施術を見合わせます。
- 妊娠高血圧症候群を疑う症状
- 発熱や感染症が疑われる症状
- 下肢の左右差
- 強い倦怠感や、普段とは明らかに異なる体調不良、など
.
正直、せっかく来店してくださったお客様を、そのまま帰すことに迷いを感じるセラピストも多いと思います。
しかし、施術を見合わせることは、「何もしてあげられなかった」ということではなく、安全を優先し、必要な医療につなぐことができたという、「重要なケア」の一つです。
お帰りいただく際には、断定しない・不安をあおらない・安心して次回につなげるの3点を心がけます。
- 病名を推測したり、逆に「大丈夫」と断定したりしない
- 「問題がないことを確認してもらうため」産科に相談するよう促す
- 順調であることを確認した後のほうが、心も体もより深いリラックスを味わえる
と、寄り添いながら安全性をお伝えすることで、専門性の高いセラピストだと信頼感が増して、次回へ繋げることができると思います。
.
当スクールのマタニティアロマトリートメント講座では、トリートメント技術だけではなく、施術ができるかどうかの「判断力」をセラピストが身につけられるようになります。