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妊婦さんの腰痛を弱圧でトリートメントする方法

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  • 投稿の最終変更日:2026-04-15
  • 投稿カテゴリー:blog

マタニティトリートメントにおいて、とても多い主訴の「腰痛」。

カウンセリングでは、こんなやり取りが自然に交わされます。

「お辛いですよね。お腹が大きくなると、どうしても腰にきますよね。」
「お腹に負担のない範囲で、腰を緩めていきますね。」

穏やかで、共感的で、間違いのないお声がけです。一連の流れとしては違和感なし。

でも、クライアントへの説明としては正しいですが、もしセラピストもこの理解で留まってしまっていたら、臨床としてはちょっと浅いです。(感じ悪い)これでは「原因の核心」というよりも単に「現象の要約」に過ぎません。(重ねて感じ悪い)

少し視点を深めると、そこには

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  1. 張力バランスの再編
  2. 安定性低下に対する代償
  3. 神経系による防御的調整

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といった、変化が折り重なっています。

そしてその中心にあるのが、腰背部に広がる巨大なファシア構造「胸腰筋膜」です。この組織の状態こそが、妊婦さんの腰痛の大きな原因です。

胸腰筋膜とは、背中(広背筋)- 臀部(大臀筋)- お腹(腹横筋など)を繋いで、体幹を安定させるサポーターの役割をしている体の深層に位置する大きな膜です。単なる膜ではなく張力を伝達する機能的ネットワークでもあります。

イメージとしては、全身のバランスを黙って調整し続けている裏方さん。そしてこういう存在ほど、限界まで頑張ってから症状を出します。

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1. 張力バランスの再編

妊娠中にお腹が大きくなることで、

  • 腹壁(特に腹直筋・腹横筋)が伸びる
  • それに伴い胸腰筋膜が持続的に引っ張られる

この状態は、言ってみれば「伸びきったゴム」のようなぺらぺらな弾力性のない状態で、わずかな動作でも「痛っ!」というセンサー(侵害受容器)が反応しやすくなります。

カウンセリングで、

「そんなに動いていないのに腰が痛い」

という訴えにつながります。むしろ動いていないのに痛い時ほど、この状態が疑われます。

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2. 安定性低下に対する代償

出産の時に赤ちゃんをスムーズに出すために、骨盤まわりの靭帯を緩ませるホルモン(リラキシン)が、妊娠中から分泌されています。そうなると、妊娠中から骨盤の仙腸関節が緩んで安定性が低下します。

これに対して妊婦さんの体は、代わりの筋肉・筋膜の緊張を高めることで安定性を図ろうとします。

その結果、

  • 胸腰筋膜の過緊張
  • 滑走性の悪化

が現れて、腰の痛みや重だるさに繋がります。これは言ってみれば、安定性を確保するための防御反応です。

つまり体としては、

緩めたい〜、でも緩めると体幹が不安定になる〜〜

というジレンマを抱えている状態です。
もしここでセラピストが強圧でほぐしてしまったら、さらに防御が強まってしまいます。

マタニティトリートメントで、腰部への強圧NGな理由は、赤ちゃんのいるお腹を圧迫してしまうからだけではないんですね。

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ここで疑問が生じた方いらっしゃいませんか?!

「えっ?胸腰筋膜は深層にあるのに、強圧NGならアプローチ無理じゃね?」と。(ヤンキー設定)

でも大丈夫なんです!強圧や深い圧でなくても胸腰筋膜は緩めることができます。

ファシアは、皮膚直下の浅筋膜から、筋を包む深筋膜やその連続である胸腰筋膜、さらに内臓を包む膜まで、全身に連続する三次元的な結合組織ネットワークです。

なので、皮膚の滑走性を改善すれば、深層のテンションにも影響するという特性があります。

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③神経系による防御的調整

筋膜には筋肉よりも「痛みや刺激のセンサー(侵害受容器・機械受容器)」が存在します。

強い刺激は

  • 交感神経優位❌
  • 防御性収縮の誘発❌

につながる一方、穏やかな刺激は

  • 副交感神経の活性化♡
  • 筋膜トーンの低下♡

を促します。

特にマタニティトリートメントでは、安心感=組織の弛緩に直結するため、触れ方そのものが臨床的意味を持ちます。

目的は「筋をほぐす」ことではなく、胸腰筋膜の滑走性と張力バランスの再構築です。膜の滑走を取り戻す繊細なアプローチこそが、クライアントの腰痛を安全かつ効果的に軽減する鍵となります。

当スクールのマタニティアロマトリートメント講座では、「ゼロ圧でストレッチ」をする手技を練習していきます。

まぁ、相変わらず長いブログだこと…
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参考文献

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9143136/