【コラム】妊娠中の体内時計

◉ 体内時計

私たちの体は、日が昇り、日が暮れるという1日の周期に適応したリズムを体の中に持っています。「体内時計」と呼ばれるものです。

この体内時計が働くことで、自律神経やホルモン分泌のバランスも整い、体温、血圧、呼吸など、健康に生きていくためのリズムが調整されます。

体内時計のある「視交叉上核」とよばれる脳は、視神経のすぐ上に位置するので、夜にコンビニ店内ぐらいの強い光を浴びたり、スマホのブルーライトで、うまく働かなくなります。


◉ 体内時計と精油についてのstudy

SCN(視交叉上核)を電気破壊すると、動物に精油の香り刺激を与えたときも、起こるべき自律神経活動や生理機能の変化が消失することが確認された

というものがありました。

通常、アロマの香りを動物に与えると、交感神経が興奮して、血圧が上昇したり、食欲が抑制されたり、もしくは拮抗する副交感神経が興奮して、逆の反応が起こります。どちらが興奮するかは、精油や濃度によって異なります。

このstudyでは、まず視交叉上核を破壊して、体内時計をまったく働かない状態にします。そこにアロマの香りを与えると、通常ならおこる反応がまったく起こらなかったという結果になった、ということです。

これは、人間でも、体内時計が乱れてしまっているクライアントには、精油の香りによる効果は弱まってしまう可能性がありますね。

経皮吸収だとまた違う結果になるのか、それはまだよくわかっていません。自律神経は求心性もあるし、嗅覚受容体は身体のあちこちにありそうなので、トリートメントだと吸入よりも高い効果はみこめそうな、、(個人的な意見)


◉ 妊娠中の体内時計

では、妊娠中はと言いますと、妊婦の体内時計が乱れることで、赤ちゃんにどのような影響が及ぼされるのかは、現時点では正確にはわかっていません。

ただ、

妊娠中の母ザルが24時間明るい環境で飼育されると、新生児の子ザルのコルチゾール(ストレスホルモン)の濃度が非常に高くなる

 

マウスの実験では、胎児の体内時計は妊娠後期に働き始め、この時期の母親の体内時計のリズムが胎児に伝わる「母子間同調」現象が確立する

というデータもあるくらいなので、赤ちゃんによい影響はまったくなさそう。


◉ ちょっとだけ気をつけること

妊娠中は、

◎朝はしっかり日を浴びて、午前〜お昼ごろにお散歩など体を動かす

◎夜はスマホをoff(妊娠中、ネットの情報見ていると不安になることもいろいろあるし)

まずはこんなところから生活習慣を見直すことをアドバイスできると思います。

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参考文献:

永井克也、ほか 医師かすすめる科学的アロマセラピー(かざひの文庫)98

三島和夫 妊婦の生活リズムが胎児にとって大切な理由 National Geographic(web)

八木田和弘 朝日新聞アピタル 2018.1.17